人社ユニット in GACCOH 第5弾「日本文壇史入門」

人社未来形発信ユニットが出町柳GACCOHとタッグを組んでお送りするシリーズ「人社ユニット in GACCOH」第5弾は、

日本文壇史入門 ー「文豪」たちの時代から現代へ

です。本学教育学研究科助教で、現在、京都大学新聞で「ラノベで読む日本文壇史」を連載中の椎名健人さんに、日本文学を「文壇」という観点から講義していただきます。詳しくはいつものようにGACCOHのサイトをご覧ください。また以下に講座紹介の動画やブックガイドもありますので、そちらもご覧ください。お申し込みお待ちしております。

日程
1日目 2019年10月19日(土)13:00〜16:30
●前半(第1回):夏目漱石VS 森鴎外VS自然主義……小説の価値をめぐる死闘
●後半(第2回):大正文学の寵児、芥川龍之介VS 孤高の天才、谷崎潤一郎……大正文壇の人々

2日目 2019年10月20日(日)13:00〜16:30
●前半(第3回):「純文学」の誕生と芥川賞制定……あるいは物語の物語
●後半(第4回):近代文学の論点から考える現代の小説・映画・アニメ……黒澤明・小津安二郎から新海誠『天気の子』まで

会場:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
参加費:
各日程  予約2,500円 / 当日3,000円
2日セット 予約4,000円 / 当日4,500円
イベントご予約はこちらから

主催:京都大学・人社未来形発信ユニット
広報・運営協力:GACCOH
問い合わせ先:ukihss@bun.kyoto-u.ac.jp

講座紹介動画

ナビゲーター・椎名健人さんに、講座の内容についてお話を伺いました。

「文壇」ってなに?「文壇史」ってどういうこと?現代とどういう関係があるの?など、たっぷりお聞きしましたのでどうぞご覧ください。

椎名健人選「日本文壇史」ブックガイド

日本の文壇史をひもとくうえで重要な、そして何より読んでおもしろい本を、ナビゲーターの椎名さんにコメントとともにご推薦いただきました。これらの本は、出町柳CAVA BOOKSさんで展開していただきます。講座の前後に立ち寄って手にとってみてください。

江藤淳『決定版 夏目漱石(新潮文庫)

従来のいわゆる「則天去私」神話を否定する画期的評論『夏目漱石』を20代で発表し、漱石研究の歴史に一大転回をもたらした著者による漱石論集の決定版。西洋の模倣に明け暮れる「殖民地文学」として発展するしかなかった日本の近代文学界において漱石がなぜ西洋の模倣に留まらない作品を生み出せたのかについて、漱石と同時代の文学党派や明治期の社会状況までを横断的に検討しながら論じている第1部「漱石の位置」は特に必読。

香日ゆら『先生と僕 作家篇』『先生と僕 青春篇』(河出文庫)

ゆるふわ4コマ漫画ちっくな雰囲気でありながら、その実膨大な資料収集と検討に基づいた本格的な漱石評伝本。「作家篇」では後に大正教養主義を担う代表的知識人となる阿部次郎、和辻哲郎ら漱石の門下生にまつわるエピソードも詳しく紹介されており、当時の漱石周辺のグループ(いわゆる「赤門組」ないし「木曜会」と言われる派閥)の文壇的位置づけを知るうえでも面白い。間口が広く、かつディ―プな世界観の構築に成功している著者は、漱石関連の世界で今一番ホットな書き手かもしれない。漱石研究の道に進みたい人間はまず江藤淳と香日ゆらを読むべし!

川口則弘『芥川賞物語』『直木賞物語』(文春文庫)

第1回(1935年)から第155回(2016年)までの芥川賞・直木賞の全ての回について、その選考過程と結果を紹介。加えて選考委員会内部の時にスキャンダラスな内幕や当時の文学界全体の状況までを詳細に叙述した労作で、二冊併せて900ページ超の大ボリュームにまず圧倒される。受賞作、受賞者、選考委員、出版社、後発の他の文学賞など、多様な角度から描出される一連の「物語」から浮かび上がってくるのは単に芥川・直木両賞の傾向に留まらず我が国の「正統なる」純文学/大衆文学の形をめぐる闘争の歴史である。いわゆる「文壇史」的な興味から見ても本書の価値は極めて大きい。

大澤聡『教養主義のリハビリテーション』(筑摩選書)

著者と鷲田清一、竹内洋、吉見俊哉三氏との対談から、大学アカデミズムや出版/読書文化、そして教養主義の歴史とこれからの新しい可能性が検討される。「知」のあり方をめぐる、時代や専門を飛び越えた迫力ある議論はそれ自体読み物としても魅力的。特に第二部「【歴史編】日本型教養主義の来歴 大澤聡×竹内洋」で触れられる明治から昭和初期までの教養主義の動向――明治30年代後半に一高の学生文化として現われた教養主義が大正期に隆盛を迎えるものの、やがてマルクス主義の批判を受け衰退していくまでの流れ――は、白樺派&大正教養主義知識人による覇権が、大正後期以降徐々に社会芸術的思想及び勢力(その最も先鋭化した一群に、プロレタリア文学がある)の挑戦を受けていく同時代の文壇状況ともオーバーラップしており、近代文学を思想の観点から立体的に理解するためにも有用である。