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ワークショップ「20年後の『アジア人文学』」

2019/09/25

以下の要領でワークショップを開催いたします。参加申込等は不要ですのでどうぞお越しください。

ワークショップ「20年後の『アジア人文学』」

日時:2019年9月30日 (月)
会場:京都大学文学部地下大会議室

プログラム

13:30-13:45 出口康夫(京都大学)趣旨説明
13:45-14:45 石井剛 (東京大学)「新しい人」のための古い智慧:中国の現在と東アジア藝文書院の願い
14:45-15:00 休憩
15:00-16:00 西山尚志 (山東大学)「事実」と「価値」の間に揺れる東アジアの歴史学
16:00-17:00 太田誠 (経団連・21世紀政策研究所) 経済界における政策研究
17:00-17:10 休憩
17:10-17:25 佐藤将之 (台湾大学) 報告全体へのコメント
17:25-18:00 全体討論

発表要旨

石井剛(東京大学)「新しい人」のための古い智慧:中国の現在と東アジア藝文書院の願い

2019年春から、東京大学では北京大学との東アジア学ジョイントプログラムとして、「東アジア藝文書院(East Asian Academy for New Liberal Arts, EAA)が始まった。研究者から学部学生に至る大学の各レベルにおける研究・教育交流プラットフォームを構築するこのプログラムは、産学連携プロジェクトとして、東京大学における今後の研究・教育に大きな役割を果たすことが期待されている。本報告では、報告者の主要関心である「中国」の現在について概観的に考察すると共に、EAAを核とした新しい人文学において、わたしたちがいったい何を希望しているのかを明らかにしたい。

キーワード:「天下」論、Society5.0、Sinophone philosophy、「かのように」の大学

西山尚志(山東大学)「事実」と「価値」の間に揺れる東アジアの歴史学

相対的に、日本の歴史学は「事実」の追求を重視するが、中国や韓国では「価値(道徳)」にも重点を置いている傾向にある。このような「事実」と「価値」のウェートの違いが、各国の歴史学者が頻繁に交流していても、うまく噛み合った議論ができていない原因の一つであると考える。

近代以来、東アジアの歴史学は「事実」と「価値(道徳)」の間を揺れ動いてきた。例えば歴史学では「事実」の追求を標榜する「実証史学(史料批判)」と「価値・道徳」の育成に力点を置く「民族主義的歴史学」は幾度となく衝突を繰り返してきた。そして両者はいずれも日本が経由して中国や韓国に受容され、そこでまた衝突を起こしてきた。本発表ではその経緯・背景・現状などを概観しつつ、未来の東アジアの歴史学における良好で活発なプラットホームを構築するため考えを提唱したい。

太田誠(経団連)経済界における政策研究

経済界は、それ自体が「利益の追求」を目的としつつも、企業活動の活性化により国民経済の発展と国際社会における日本のプレゼンス向上に貢献する。

そのため、直面する国内外の環境変化を産業政策、通商政策上の課題に転換し独自の戦略を策定して日本政府、外国政府・経済界に働きかけざるをえない。経済界は、政策過程のアクターであり、政府、企業、学界の接点領域にあってアリソンの第二モデルで説明される状況にあるため即効性ある政策論が重視される。

この大前提のもと、国際社会における日本の立ち位置が激変する中、より本質的な洞察が求められる。韓国については、文在寅政権に対する政治学からの“処方箋”とは別に、伝統的な精神風土による干渉という視座からの分析が喫緊の課題となっている。

 

 

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