レポート「やっぱり知りたい!萬葉集」

令和元年の6月2日、人社ユニット in GACCOH企画第2弾として「やっぱり知りたい!萬葉集」を開催しました。

ナビゲーターに本学人間環境学研究科出身の三宅香帆さん(ウェブサイト)をお迎えして、第1部「『萬葉集』は恋をする」では、萬葉仮名の解読などを通じて、遠い昔の萬葉集を理解していくことの難しさと面白さを学びました。第2部「『萬葉集』に恋をする」では、いくつかの歌をじっさいに読み、三宅さんの解釈を聞きながら、現代と昔の人々の違いと共通点について考え、議論しました。

参加者の方にお借りした本から

講座終了後、三宅さんにインタビューにお答えいただきました。

— お疲れさまでした!いかがでしたか?とても楽しい講座でしたが、とくに第1部で、研究の進め方についてお話しされたのが印象的でした。

三宅:参加者の方が積極的に質問してくれて、よかったです。そうですね、知り合いにもよく「文学の研究ってどうやるの?昔のことなんてどうやってもわからないんじゃない?」なんて聞かれることが多いので、そういう誤解も解きつつ、萬葉集も面白いし、その研究自体も面白いなと思ってもらえるように内容をデザインしました。

— 三宅さんは今年の春に大学院を「退院」して、働きながら副業として文学と関わり続けるという選択をされました。ちょうどそのタイミングで、大学院で研究していた萬葉集を出典とする「令和」が次の元号に決まり、いま引っ張りだこでいらっしゃいますね。

三宅:研究も好きだったのですが、わたしは学問的な厳密な「正しさ」より、ある程度の整合性を担保した上での「面白さ」のほうを求めてしまうところがあって、研究ではないところでがんばるほうが向いているのではと思っていたんですね。副業ができそうな会社とご縁ができたこともあって、いまの進路を選びました。

「令和」の発表がちょうどその入社式の昼休みの時間帯で、たまたま一人だったのでツイッターでつぶやきまくっていました(笑) そのおかげでたくさんお仕事をもらえたのでよかったです。

萬葉集がこんなにお仕事で使えるとは思っていなかったんです。「これまでのことをナシにするのではなく、大学院でやってきたことを使ってがんばりなさい」と言われた気がしました。

— 講座の中では少し時間が足りなくってお聞きすることができませんでしたが、おすすめの萬葉集本があれば教えてください。

三宅:萬葉集そのものを読むのであれば、注釈になりますが、伊藤博先生の『萬葉集釋注』がいいと思います。伊藤先生の解釈は人間味豊かで、萬葉集を物語的に読むことができるので、初めての方でも入りやすいのではないかと思います。解説であれば、それこそ [令和の考案者とされている] 中西進先生の『万葉の秀歌』がよいと思います。


— さいごになりますが、こんど新しく本を出されるんですよね。ぜひ内容を教えてください。

三宅:『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』という本が出ます。文章術の本のようにも見えるんですが、わたしとしては文体批評っぽいことをやろうとした本です。

小説などいわゆる文学だけでなく、芸能人のブログとか占い師さんの文章とか、いろんなところから文章をもってきて、それらの何が人の心を掴んでいるのかを解説しています。個人のSNSや会社の広報なんかで何かを発信するとなったときに、ちょっと手にとって「言葉の発信力」を上げるための参考にしていただければと思います。

— どうもありがとうございました。